スポンサードリンク

仕事・転職

【ホテル経験者談】ホテルの離職率が高い理由とは?

2020年6月30日

ホテルの離職率が高いのってなんで?
ホテルへの就職や転職を考える前に知っておきたい。



今回はそのような悩みを持つ人に、元大手ホテル経験者の僕が解説します。




まず結論からお伝えしますね。


結論:ホテルは単純にキツイので離職率が高いです



では何故そう思うのかを経験者目線で解説していきます。


ホテルが好きだからこそ、読んでほしい記事です。



ホテル業界の離職率が高い理由とは


ホテル業界の離職率はいつまで経っても高いです。


正直な所、働く環境が悪いことが一番の理由だと思います。


数字から見ても実情が垣間見えます。

まずはホテル業の離職率から見てみましょう。


ホテル業界は、宿泊業・飲食サービス業になります。厚生労働省が平成26年11月に発表した大卒3年後の宿泊業・飲食サービスの離職率は52.3%であり、半数が離職しているのです。通常、離職率は一般的に3割といわれるので、宿泊業・飲食サービス業界は相当の離職率の高さになります。

キャリアパーク!就活



直近のデータではありませんが約6年前のデータでは、約半数が3年経たない間に辞めているんですね。


結構やめてるやん・・・。


「石の上にも三年」なんて
ホテル業では通用しません。


それには理由があります。



元大手ホテル勤務の僕が思う離職率が高い理由は以下の3つです。




  • プライベートが充実しない
  • ホテルというビジネスモデルの在り方
  • IT化が遅い


では一つずつ解説していきますね。


ホテル・旅館業はプライベートが充実しない


ホテル業界や旅館業はプライベートが充実しません。


理由としてはまとまった休みが取れないことや賃金が低いことが挙げられます。


まとまった休みが取れないのはホテルが年中無休であることも原因の一つでしょう。
それと同時に属人的な働き方をしており、誰かが抜けると回らないなんてことが多数あります。


一人一人のスキルの差が激しいため、一日の予測が立てづらくなることが多く予防策として人を余分に投入しておく必要があります。
ただし頭数の人数を増やと固定費の増加に繋がるので、頭数を変えずにシフトの調整で賄うことが多いです。



ホテルは一つ問題が発生すると、解決まで長い間時間を割く必要があります(客商売なので)
1人拘束されると仕事が回らなくなるので、最悪の事態も踏まえて人数を調整します。


余剰人数を抱える=出勤人数が増える。
1人が長期の休みを取ってしまうと周りへの負担が大きいので気を遣って取ることが出来ないのです。




マニュアルで動かないホテルだからこその弊害が表れていますね。


 顧客が個人であることの優位性


ホテル・旅館業の顧客は個人です。

それが何を指すかというと、個人は意外と好き勝手することが多い。

対会社が顧客の場合は会社という名刺を背負っているので好き勝手出来ません。
ですがホテルの顧客は個人。個人は会社を背負ってきているわけではないので好き勝手出来るのです。
個人を相手にする商売は如何に顧客を満足させるかですが、残念ながら奴隷のように扱われることも多くあります。



要は弱みに付け込まれるということです。



僕がバーで働いていた時の実話。
閉店時間が来たので退店を促したところ

「楽しんで飲んでるんやから邪魔すんなよ!客やぞ!」と言われそのまま2時間説教を受けたことがあります。

正しいことを言っているのに、理不尽に怒られ時間を拘束されました。
「客には逆らえない」という弱みに付け込まれているのです。



このような最悪の事態を見越して人員を確保しているので、休みを取ることが難しかったりするんですね。


顧客重視なのは勿論なのですが、小さなところにも業界の闇が隠れているわけです。

>> 【元ホテルマンが解説】ホテルが有給休暇取れないってホント?取得するためのアドバイスも伝えます!


ホテルというビジネスモデルの在り方


ホテル業界のビジネスモデルは働く人にとってはメリットの無い構造だと言えます。



圧倒的にコスパが悪いからですね。

コスパが悪いということは、利益を上げにくい=従業員の給料や休みの日数にもつながってくるわけです。


ホテルの売り上げはやはり宿泊に掛かってきます。
宿泊の売り上げは文字通り、宿泊者がいないと発生しません。
では2020年のコロナ禍のように宿泊者が少なくなれば?答えは明白です。


ホテル関連の倒産が相次いだ2020年のコロナ禍はホテル・旅館の倒産が相次ぎました。

なぜこれだけ倒産が増えたのかわかりますか?


答えは単純で宿泊者が減ったからですよね。


では何故すぐに倒産が決まってしまったのかというと、

ホテル業が収益性の低いビジネスモデルだからです


  • 宿泊者が来ないと売上はないのに、人員は確保する必要がある。
  • 宿泊者が来なくても部屋は綺麗にしておく必要がある。    
  • 利用者が少なくても水光熱は付けっぱなし。         



ホテルはいつも「親切・丁寧・安心・安全」を保つために、売上見込みがないにも関わらず何かしらの費用を使い続けているわけです。


じゃあ人を減らしたり、清掃する部屋を少なくしたら良くない?
電気とかも消せばいいじゃん。


ホテルは客室が商品でサービスは人間が行うので、削減しすぎると売上を上げることが難しくなります。
また人がいないと対応がおろそかになりクレームに発展します。

最近は評価を見て泊まるか決める人が多く、評価が下がると売上が下がってしまうのです。



必要ない時は経費を削減したいけど、削減しすぎると売上を上げるのが難しくなる。


これがホテル業の負のスパイラルです。


ネットでよく耳にする「レバレッジ」のかけらもないのが、ホテル業のビジネスモデルなワケですね。


ホテル業のビジネスモデルについては【元ホテル経験者が語る】ホテルのフロントを辞めたいなら即行動しないともったいない!でも解説しています。


IT化が遅い、精神論・根性論で成り立っている世界。


ホテル業は人と人の繋がりでビジネスが成り立っています。

顧客とホテル(従業員)という関係ですね。

ただしこのビジネスの関係が、世の中の流れに反しているのも事実。

実際に僕に会いに来てくれるお客様は沢山いました。
でも同時に僕がいないと来てくれなくなるという、可能性も含んでいたのです。
ホテルでは「人に客が着くこと」が多いので属人的になりやすいんですね。


属人的になることでIT化が遅れてしまうことが多々あります。

これは対顧客だけでなく、仕事全般にも言えますね。


 IT化出来るところは沢山ある。


ホテルではかたくなにIT化や自動化を行わないことが多くあります。

  • レジ金自動化(スーパーなどの自動レジ化)
  • 予約システムの自動化(レストラン)
  • 在庫管理や温度管理などのシステム化

一例として挙げてみましたが、まだまだ改善の余地はあります。



何故IT化が進まないのかは、一種の職人気質があると言えるでしょう。


☑ レジ金を機械で出すなんてかっこ悪い、一連の動作を含めてプロだろう
☑ 予約の電話もしっかりと取ってこそがプロ、そこで差が出る
☑ 自分の目で確かめないと、そこで見る目が養われる


謎の職人理論、根性論や精神論が横行しています。

何でこのような理論が未だに存在するの?


ホテルはサービスのプロ、というのが根底にあるからでしょう、
プロでも間違いはするしここでのプライドは要らない気もしますが・・・。


効率化を求めていれば、レバレッジを掛けられるのですが昔ながらのプライドが邪魔をしているようです。


>> 【元ホテルマンが解説】ホテルの仕事はきついし、労働条件悪いからさっさと転職しよう。


ホテル業界で働くために重要な3つの考え方


この記事を見てもなお働きたいと思える人は、相当ホテルマンに向いていると思います。

ホテルマンは現実を見て仕事をしてはダメだからですね。

本当に人に尽くすのが好きじゃないと務まりませんから。


 ホテルマンになる為に考えておくべき3つのこと


元ホテルマンとして、これからホテルで働く人に考えていてほしいことを挙げました。


  • その①:自分のプライベートがあると思わない
  • その②:同じホテルで勤めあげようと思わない
  • その③:総じて覚悟を持て、無理ならすぐに逃げ出せ


ではこの3つについて解説していきますね。


その①:自分のプライベートがあると思わない


残念ですが、プライベートがあると思わないほうが良いです。

ホテルでは顧客に合わせる必要が多々出てきます。

最初に出てきたように顧客の気分次第で退勤時間を過ぎても付き合わされることが多いです。
部署によっては休みの日でも顔を店に来る必要もあります。


退勤した後に予定があっても、関係ありません。

ホテルはお客様第一主義」が根底にあるので、それが当たり前となっています。


仕事終わった後に、ご飯食べに行きまーす!なんて華々しい生活は出来ないですよ。


待ち合わせに遅刻して何度女の子に怒られたことか。。。

その②:同じホテルで勤めあげようと思わない


近年はどの業界もそうですが、転職が当たり前になってきています。

ホテル業はその前から業界内の転職が活発でした。

  • 同じところにいてもタイトルがつかない
  • タイトルまでの道が険しい(ライバルが多い)
  • タイトルがついても望む環境や給料がもらえない


以上の理由から、転職活動が元々活発なのです。


ホテルをいくつか見てきましたが、確かに転職後すぐにタイトルが付く人が多くいました。

環境を変えるという意味でも一つのホテルに固執をするのは古いです。


いろんなホテルを見ることで、ホテル業界での市場価値が上がります。

自分が目指すとこに行くまでは転職を何度も検討しましょう。


ホテル業界の転職におススメ

dodaで仕事を探す

登録しておくだけでも問題なし

その③:総じて覚悟を持て、無理ならすぐに逃げ出せ


ホテルマンになるときは「覚悟」を持つ必要があります。


就業条件が悪いので覚悟がないと、やっていけません。


給料も低いし、休みも少ないです。
人間関係も決して良いものではありません。


 それでもホテルマンになりたいのであれば、あなたは素敵なホテルマンになれる。


ホテルマンは自己犠牲の上に成り立っています。

自己犠牲が身を結ぶときは来ますので、待てる場合はホテルマンを続けましょう。


もし少しでも不信感があれば逃げ出す。


あなたが我慢していても、誰も喜びません。

まとめ:ホテル業界が離職率が高いのには理由がある。就職や転職をする人は良く考えて。



今でも一生懸命ホテル業界で働いている人は多いと思います。


ですが、どこかでモヤモヤを抱えているならば早いとこ転職をしましょう。


僕は未だにホテルで働いていたストレスで
体調があまり思わしくありません。

それでも転職後は大分ましになってきました。


今ではホワイトな会社に転職し休みも15日以上増えましたし、年収も約80万程度UPしました。


特筆するスキルの無い僕でも、人生が変わったので必ずあなたも転職すべき!


勿論ホテル業界が好き!ここでTOPを目指したい!なんて人はスルーしていただいて大丈夫です。


そうではなく、辞めたいと思ってるけどやめる勇気が出ない方などにはぜひ一歩踏み出してみてほしいです。


外の世界には青空が広がってるかもしれませんよ。


変わることを前向きに捉えていきましょう!

よろしければ下記の記事もご覧ください。


関連記事
【キャリアアップを目指せ!】ホテルマンは転職をして幸せを掴め!

続きを見る

スポンサードリンク

-仕事・転職

© 2024 misojin blog