接客やサービス業って難しい。
自分の良い所が上手く発揮できていない気がする。
接客をしている人なら、あるあるですよね。
僕もホテルで働いているときに、この問題に幾度となく出くわしてきました。
ホテルを約10年経験した上で、この考え方が良いのでは?と一つの結論にいたり、広めていけたらと思います。
✔ この記事を書いている人
この記事を書いている僕はホテル業界で約10年ほど勤めました。
900室を超える大手老舗ホテルから新興ビジネスホテルまで経験しており、知見を活かしながらホテルマンに関する情報を発信しています。
それでは今回のテーマを見ていきましょう。
今回のテーマは「ホテルマンが持っておくべき第一の心得は、おもてなしの心ではない」です。
スポンサードリンク
【おもてなし】は難しい、なら考え方を変えよう
日本の観光業は、「おもてなし」を大事にしますよね。
そもそも「おもてなし」ってどういうことなんでしょう。
「おもてなし」は、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉であり、その語源は「モノを持って成し遂げる」という意味です。また、「おもてなし」のもう一つの語源は「表裏なし」、つまり、表裏のない「心」でお客様をお迎えすることです。
1 人を取り扱う。待遇する。あしらう。「国賓として―・す」「よそよそしく―・される」
2 心をこめて客の世話をする。饗応する。馳走 (ちそう) する。「山海の珍味で―・す」「客を酒で―・す」
心を込めて客の世話をする、というのが一般的な解釈です。
「もてなす」 に「お」を付けた言葉が「おもてなし」なんですね。
✔ おもてなしが難しい理由
おもてなしが難しいのは何故か。
それは「おもてなし」という言葉によって、接客のハードルが高くなってしまうことにあるのではないでしょうか。
おもてなし、と聞くとどこか「最上級のサービス」を求められがちに見えてしまいます。
「あそこのホテルのおもてなしは最高だ!」と聞いた際、どのようなことを思い浮かべますか?
気の利いたプロの集団が運営しているホテルや旅館を思い浮かべませんか?
少なくとも僕はそう感じます。
でも「おもてなし」ってめっちゃハードルが高いんですよ。
接客が苦手な人とか上手くいかない人って、きっとこの言葉に踊らされていると思うのです。
マネジメント側でも「おもてなし」についてよく考えたほうがよいかもしれません。
自分が思うおもてなしと部下が思うおもてなしが違う可能性は大いにありえます。
方向性を一緒にすることで、強いチームになっていくでしょう。
ホテル時代の僕はおもてなしではなく、あることを考えていた。
ホテル時代の僕はレストランとバーテンダーのスタッフとして在籍していました。
いらっしゃるお客様は、観光客の方はもちろん、外国人、有名人、政治家の方など様々。
沢山のお客様との接客をしているうちに僕が見つけた一つの答えは、
「店に入ってきた方を友人だと思うこと」でした。
※あくまで僕の感覚です。
✔ お客様を友人だと思うのは失礼じゃないか?
「お客様を友人とはなんだ!!」と怒る方もいらっしゃるでしょう。
ここでは文字通り友達らしく接客しろ、という意味ではありません。
「友達を迎えるような大きい心構えでお客様を出迎えよう」という意識です。
接客が難しいのは相手との距離感が掴めていないからです。
どうしても「会社」:「個人」としてイメージしてしまうので、上手く接客が出来ないのだと感じます。
本来の接客の良さは「個人」:「個人」の繋がりあいに近いのです。
どうしても「おもてなし」と捉えると先行するイメージがあり、動きが固まってしまいます。
僕はどうにか「おもてなし」という概念を噛み砕いて、他者にも再現性があるイメージを考えました。
それを「相手を友人だと思い接すること」と僕は捉えたのです。
接客する相手が友達や家族だと思うと、「心」の障壁が取れる。
店に来たお客様を友達や家族だと思うこと。
この意識によって変わることって何だと思いますか?
実は最初の一歩目や笑顔、つまり一挙手一投足がかわるのです。
お客様と思うか友人と思うかによって、意識がどれくらい変わるのでしょう。
・相手がお客様だと仮定している場合
→来たら嫌だな、接客の最初の入り方どうしようかな、めんどくさいな
・相手が友人だと仮定している場合
→早く来ないかな、何をしてあげようかな、いいとこ見せたいな
お客様を迎えるときの意識から違いますよね。
仕事は楽しみながらやるべきだ!という提言にあたって、
接客業ではこれ以上のない意識変換の仕方だと僕は感じています。
そして、最初の印象が良ければのちのちの接客が楽になりますよ。
お客様も接客を受けることについて前向きに捉えてくれるからです。
✔ 何故「心」の障壁が取れるのか
たったこれだけで、自分自身もあなたの部下やアルバイトも劇的に変わると思います。
では、なぜ「心の」障壁が取れるのでしょうか。
それは他人事→自分事という意識の改革が出来るからです。
何も考えずに仕事をしていると、接客=仕事の概念が染みついてしまいます。
どうしても仕事というイメージが抜けずにお客様に接することで、お互いによそよそしい感じになってしまうのです。
ですが、相手を友人や家族だと思うとどうでしょうか。
接客するときのハードルが下がりませんか?
相手をお客様と捉えると仕事になりハードルはあがります。友人だと思うと「情」が乗ってきてハードルが下がります。
例えば、誰かの誕生日を祝うとしましょう。
全く知らない人の誕生日を祝えと言われたら、あなたはどう思いますか?
友人の誕生日を祝えと言われたら、あなたはどう思いますか?
きっと感覚は違うはずです。
この感覚が「心」の障壁が取れる感覚なのです。
この感覚がわかると、忙しい時でも笑顔が出てくるようになります。
それは決して頑張って出した笑顔ではなくて、満面の笑みのはずです。
だって友人を迎えているんですから。
スポンサードリンク
接客の心構えを変えたことで、起きた体験談。
かくいう僕も、この考えに至るまでは時間が掛かりました。
自分では精いっぱい愛想よく接客しているつもりでも、「愛想悪いな」と言われることも沢山ありましたよ・・・。
それでは、僕が「相手を友人だと思うこと」を頭に入れて接客したらどうなったのでしょうか。
実際に見ていきましょう。
お客様から声をかけられることが増えた
まず、第一にお客様から声をかけられることが増えました。
実際に接客をしていないお客様からも、お声がけをされることが増えましたね。
これは何故かというと、他の人より自然体で居れたからだと思います。
ホテルで働いているとお客様も緊張感を持って来られる方が多いです。
接客を受けると仰々しく感じてしまうのだと思います。
ですが僕はあくまで自然体で居たので、良い意味で目立っていたのでしょう。
皆さんも飲食店に行くと、一人だけめっちゃ気になる人とかいませんか?
きっとそんな存在になっていたのだと思います。
全然接客していないのに、「頑張って!」と声をかけられることが多かったですw
外国の方とのコミュニケーションが増えた
これは特に実感したことです。
正直僕は英語が喋れません。
簡単なレストラン英会話程度です。
ですが圧倒的にコミュニケーションが増えました。
きっとこの世界共通言語は、英語じゃなくて笑顔だと思う
引用元:福笑い 高橋 優
ってことだと思っています。
最初のアクションで自然に笑顔が出せていたからこそ、相手も話しかけやすかったのでしょう。
居心地が良いと感じてもらえると、外国の方は毎日リピートしてくださいます。
滞在中に何日も来てくれることで、信頼関係もできました。
僕がいないシフトの日は「寂しかった」と言ってくれるし
久しぶりに会ったときは「私のジェントルマン」って言ってくれることもありました(笑)
最初のアクションや考え方ひとつでこんなに変わるんだ!と思ったのと同時に
僕の考え方は間違っていなかったんだ!と実証できた経験です。
とても良い経験でした。
あとは外国の方によくお土産を貰うことも増えましたね(笑)
お客様からの感謝のお言葉が増えた
お客様からの感謝の言葉が増えました。
しっかりとコミュニケーションを取れたからだと感じています。
一部、頂いたメールをご紹介します。
頂いたメールは画像にして持っています。
小柄は余計やろ!!と思いながら・・・w
画像はなくしてしまったのですがこれ以外にもドバイのバーテンダーから感謝のメールを貰ったり
フロント経由で感謝の手紙を頂いたりと、本当に心温まる機会が増えました。
それはきっと「心」の障壁を取っ払って、お客様がいかに心地よく過ごせるかを考えた結果だと思っています。
仕事やお客様という概念の前に、同じ「人」と「人」です。
あなたが友人に接するときはきっとこの「人」の部分がベースになっていますよね。
その部分を接客という仕事に当てはめてみれば良いのです。
まとめ:接客が難しいなら相手を「友人や家族」だと思って接してみよう!
この考え方はホテルだけでなく、どの接客にも活かせると思います。
何より働く側が楽しくなるはずです。
今日も沢山友人が来るなぁ~なんて考えながら接客をすると忙しい時も苦じゃなくなりますよ!
再度おさらいです。
おもてなしより簡単なたった一つの事
相手を友人や家族だと思うこと
たったこれだけです。
接客業に従事していて悩んでいる人、アルバイトがうまく働いてくれない人はこの考えを実践してみてください。
おもてなしより遥かにわかりやすく、なおかつ効果がありお金もかかりません。
試してみる価値はあると思いますよ!
接客業が楽しくなりますように!
【あんなことやこんなこと】ホテルのアルバイトを大学生におすすめする理由
続きを見る
【読めばすぐにわかる】ホテルの給料が低いのはビジネスモデルのせい!?
続きを見る
スポンサードリンク